意味
「とても~で我慢できない」という意味を表します。
例:行きたくてたまらない、暑くてたまらない、好きでたまらない etc.
接続
Vて+たまらない
i-Aくて+たまらない
Naで+たまらない
「~てたまらない」は動詞と接続できない(「~てしかたがない」は動詞と接続できる)と記載している記事もありますが、皆さんはどう思いますか?後述しますが、「~てたまらない」の母語話者の許容度を調べた統計結果があり、その結果では「気になる」「腹が減る」などの動詞は多くの日本人は「~てたまらない」と接続可と考えているようです。接続できる動詞は限られますが(「Vたい」の形は「い形容詞」なので多くの動詞と接続できます)、「~てたまらない」も動詞と接続可と考えます。
解説
「とても~で我慢できない」という意味を表します。
心や体の状態を表す語と接続して、強い感情や感覚が沸き起こって抑えられないときに使われます。
主に身体感覚を表す語彙と相性良く使われることが多いです。
てたまらない。
階段から落ちて、身体が痛くてたまらない。
心配、残念、嫌、好き、不思議、嬉しい、楽しい、悲しい、寂しい、辛い、おかしい、うるさい、怖い、眠い、痛い etc.
ある行為をすることに対する願望を表す「~たい」と接続する場合も多いです。
話し手以外が主語になる場合は、文末は推量の表現(そうだ、らしい、ようだ etc.)になることが多いです。
てたまらないようだ。
友達は、絶叫マシンに乗るのは怖くてたまらないらしい。
副詞の「もう」を一緒に使ったり、動詞や形容詞を繰り返し使うことで感情を強調することができます。
副詞の「もう」の意味を確認しておきましょう。
自分の判断・感情などを強める気持ちを表す語。
てたまらない。
彼女はいつも先生のことを見ている。もう好きで好きでたまらないようだ。
(無意識に)自然とそうなる動作である「思える」「泣ける」「悔やまれる」「気になる」「笑える」のような動詞には使うことができません。
てたまらない。
彼女とは過去にどこかで会ったことがある気がし類似文法である「~てしかたがない」「~てならない」の場合は使うことができます。
てしかたがない。
彼女とは過去にどこかで会ったことがある気がしてならない。
彼女とは過去にどこかで会ったことがある気がし「~てたまらない」は漢字で書くと「~て堪らない」と書きます。「堪」は「堪(こら)えられない」という読み方もあり、「我慢できない」という意味です。そのため、類似文法の中でも一番感情が強い表現であるとも言えます。
「~てたまらない」の類似文法である「~てしかたがない」「~てならない」は、母語話者の中でも接続できる語の許容度が異なります。
そのため、自分の感覚だけで「接続できる/できない」を決めてしまうことは多少リスクがあります。
母語話者にとっては許容度が低くても、学習者にとっては許容度が高くなっている語彙なども多いのも特徴です。
以下の論文に統計結果が記載されています。
「~てならない,~てたまらない,~てしかたがない」の使い分け ―日本語母語話者と日本語学習者の比較―
上記の統計を見ると、「慌ててたまらない」という言い方は、母語話者の許容度がたった2%であるのに対して、学習者の76%は問題ないと考えているという結果が出ているなど、母語話者のように感覚で理解できない学習者にとってこれらの文法の使い方は非常に難しいと言えるでしょう。
対比文法
準備中
例文
てたまらない。
帰り道は人通りが少ないから、怖くてたまらない。
昨日は朝までブログを書いていたので、眠くてたまらない。
彼女は大好きな嵐のコンサートのチケットを欲しくてたまらないようだ。
娘は一ヶ月ぶりにお父さんに会えて、嬉しくでたまらない様子だ。
息子はマジシャンの手品を見て、不思議参考文献
「~てならない,~てたまらない,~てしかたがない」の使い分け ―日本語母語話者と日本語学習者の比較―