N5文法

N5文法 ~たり~たり

~たり~たり

意味

複数の事柄や行為の中からいくつかを「例示・並列」する、また、反対の語をならべて動作・状態の「繰り返し」を表すときに使われます。

例:食べたり飲んだり、テニスしたりジムに行ったり、行ったり来たり etc.

接続

例示・並列

Vた+り、Vた+り

繰り返し、対照

Vた/なかった+り、Vた/なかった+り
i-Aた/なかった+り、i-Aた/なかった+り
Naだ/じゃなかった+り、Naだ/じゃなかった+り
Nだ/じゃなかった+り、Nだ/じゃなかった+り

解説

複数の事柄や行為の中からいくつかを「例示・並列」する、また、反対の語をならべて動作・状態の「繰り返し」を表すときに使われます。
文全体のテンスは後件の最後のテンスで決まります。

先週末は、テニスしたり、釣りにいったりしました。

後件の最後は「~しました」ですので、この文のテンスは「過去」です。

それでは、もう少し細かく意味を確認していきます。
この文法は「例示・並列」と「繰り返し」の2つに分けて勉強する場合が多いと思いますが、今回は更にそれぞれ2つに分けて考えてみましょう。

例示・並列(並立助詞)

複数の事柄や行為の中からいくつか(2~3つ)を取り上げて例示する使い方です。

夏休みは、海へ行ったり、山に登ったりしたいです。
来週は友達と新宿で映画を見たり、食事したりするつもりです。

よくある誤用を2つ紹介します。

並列で2つの例示をしているのに、「たり」が1度しか使われていない場合。

最近は本を読んだり、音楽を聞く暇もありません。

最近は本を読んだり、音楽を聞いたりする暇もありません。

「本を読む」「音楽を聞く」は同類の動作です。このような場合はどちらにも「たり」をつけるのが正しい形です。

同類ではない動作を並べてしまう場合。

昨日は友達と遊んだり、お風呂に入ったりしました。

昨日は友達と遊んだり、図書館で勉強したりしました。

昨日という広い幅の中での行為を並べるべきですが、お風呂に入るという行為は一般的には朝か夜だけであって、友達と遊ぶこととは同類とは言えません。

「~たり~たり」は使いやすく、難しくなさそうなイメージがありますが、初級者は意外にも上手く使えないケースが多いので注意しましょう。

例示・並列(取り立て助詞)

ある動作・状態を例示して、他にも何かあると類推させる使い方です。
主に「~たり」は1度のみ使用、婉曲表現としても使われます

明日は待ち合わせに遅れたりしないでくださいね。
日本語があまり上手じゃないから、日本語学校に行ったりした方がいいですよ。

「遅れないでくださいね」「行った方がいいですよ」と比べて婉曲的で柔らかい言い方に聞こえます。

繰り返し

動作や状態が繰り返して交互に起こることを表します。
「例示・並列」とは異なり、形容詞や名詞とも接続することができます。
また、「行く⇔來る」「立つ⇔座る」「泣く⇔笑う」など対になる言葉が接続します

赤ちゃんはいつも泣いたり、笑ったりしています。
父は家の中を行ったり、来たりしています。

補足

以下は慣用表現として一緒に覚えておきましょう。

踏んだり蹴ったり

不運や災難などが続き、さんざんな目にあうことにいう語。(広辞苑 第六版)

踏まれたり、蹴られたりするような嫌なことが「繰り返し」起こるということですね。

対照

「~する場合もあれば、~する場合もある」という対照的な場合があるという意味を表します。
主に肯定形と否定形を並べて使います

朝ごはんは食べたり、食べなかったりします。
彼の成績は良かったり、悪かったりします。

主に「例示・並列」と「繰り返し」の2つの使い方があることを覚えておくこと。簡単そうに見える文法だが、学習者は上手く使えないことが多いので注意すること。
 

 

対比文法

準備中

例文

例示・並列(並立助詞)

休みの日は、家でごろごろしたり、音楽を聞いたりすることが好きです。

今日は会議があったり、来客があったり忙しい一日でした。

例示・並列(取り立て助詞)

遊んでばかりいないで、もっと本を読んだりした方がいいと思いますよ。

熱があるなら、病院に行ったりする方がいいですよ。

繰り返し

休日は家で寝たり起きたりを繰り返しています。

彼は自分が描いた絵が納得しないみたいで、描いたり、消したりしています。

対照

年末年始は実家に帰ったり、帰らなかったりします。

遅く帰った日は、お風呂に入ったり、入らなかったりします。

参考論文

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