文法の違い

文法の違い「~とか~とか」vs「~だの~だの」vs「~やら~やら」

「~とか~とか」vs「~だの~だの」vs「~やら~やら」

意味

3つの文法を使った例文を確認してみましょう。

例文

ビザを取得するためには、写真とか証明書とか色々準備しなければなりません。

ビザを取得するためには、写真だの証明書だの色々準備しなければなりません。

ビザを取得するためには、写真やら証明書やら色々準備しなければなりません。

どの文法もいくつかの例を挙げるときに使われる文法です。

この3つの違いを確認していきます。

文法確認

それぞれの文法の意味を再確認したい場合は、以下の記事を見てください。

~とか~とか

N3文法 ~とか~とか 意味 人や物や方法などに接続して、同じような例をいくつか示したいときに使われます。 例:学校とか図書館とか、ケーキとかチョコレート...

~だの~だの

N1文法 ~だの~だの 意味 いくつかの例を示して、それに対して話し手の不満や非難の感情を表す場合に使います。 例:するだのしないだの、行くだの行かないだ...

~やら~やら

N1文法 ~やら~やら 意味 いくつかの例を示して、対象となる物や事柄や感情などが色々あり「大変だ」「複雑だ」という場合に使われます。 例:机やら椅子やら...

解説

改めて、最初の例文を見てみましょう。

例文

ビザを取得するためには、写真とか証明書とか色々準備しなければなりません。

ビザを取得するためには、写真だの証明書だの色々準備しなければなりません。

ビザを取得するためには、写真やら証明書やら色々準備しなければなりません。

どれもいくつかの例を挙げて、それ以外にもたくさんあることを表しています。

この3つの文法の意味をもう少し細かく説明します。

~とか~とか

話し言葉(書き言葉としても使える場合あり)

話し手の感情は含まれない。

~だの~だの

話し言葉

話し手の不満や非難の感情が含まれる。

~やら~やら

話し言葉

話し手の色々あって大変だ、複雑だという感情が含まれる

上記からわかるように、主なポイントは話し手の感情です。

では、最初の例文を確認してみましょう。

ビザを取得するためには、写真とか証明書とか色々準備しなければなりません。

→ビザを取得するために必要な物の例を挙げているだけで、話し手の感情は含まれません。

ビザを取得するためには、写真だの証明書だの色々準備しなければなりません。

→ビザを取得するために、どうしてこんなに色々準備しなければいけないんだという話し手の不満の感情が含まれる。

ビザを取得するためには、写真やら証明書やら色々準備しなければなりません。

→ビザを取得するために、色々と準備しないといけないから複雑で大変だという話し手の感情が含まれる。

 

他にも「例を挙げる」の文法はいくつかありますが、しっかり違いを覚えましょう!

参考論文

林伸一 「列挙・例示の書き表し方について」
「列挙・例示の書き表し方について」
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