意味
2つの文法を使った例文を確認してみましょう。
会社の不祥事がニュースになり、それ以降業績は悪化する一方だ。
会社の不祥事がニュースになり、それ以降業績は悪化するばかりだ。
どちらも物事の状況の変化がある方向に進んでいるという意味です。
この2つの違いを確認していきます。
文法確認
それぞれの文法の意味を再確認したい場合は、以下の記事を見てください。
~一方だ
~ばかりだ
解説
改めて、最初の例文を見てみましょう。
会社の不祥事がニュースになり、それ以降業績は悪化する一方だ。
会社の不祥事がニュースになり、それ以降業績は悪化するばかりだ。
この2つの例文の場合、どちらの文法を使っても問題ありません。
では、以下のような例文の場合はどうでしょう?
一方だ。
新サービスが大ヒットして、売り上げは上がるばかりだ。
新サービスが大ヒットして、売り上げは上がるこの場合、「ばかりだ」の文法は使えません。
改めて、「一方だ」と「ばかりだ」の文法のポイントを確認していきましょう。
良い方向または悪い方向に変化する。(多くは悪い方向)
物事の状況が書き言葉で、物事の変化を客観的に捉える。
一部の名詞と接続することができる。
悪い方向に変化する。
物事の状況が話し言葉で、物事の変化を主観的に捉える。
名詞と接続することができない。
上記からわかるように、主なポイントは「~ばかりだ」は「悪い方向」に変化する場合にだけ使えるということです。
では、もう一度例文を確認してみましょう。
ばかりだ。
新サービスが大ヒットして、売り上げは上がる→「売り上げが上がる」は「悪い方向の変化」ではありませんね。
「良い方向の変化」に使えるのは「一方だ」のみです。
次に「客観的」と「主観的」の違いを比べていきましょう。
父と母は一生懸命働いているが、生活は苦しくなる一方だ。
父と母は一生懸命働いているが、生活は苦しくなるばかりだ。
上記の文はどちらも正しい文ですが、ニュアンスに違いがあります。
「一方だ」は物事の変化を「客観的」に捉えるものなので、第三者が見てもその状況が想像できるものであり、話し手も外に向かって状況を主張しているように捉えることができます。
「ばかりだ」は「主観的」に捉えるものなので、話し手が直接状況を説明しているようなイメージとなります。
「名詞」と接続できるか否かについても見ておきましょう。
一方だ。
経済状況の悪化で、どの会社の株価も下落のばかりだ。
経済状況の悪化で、どの会社の株価も下落の「一方だ」は一部の「名詞」と接続することができますが、「ばかりだ」は名詞と接続することができません。