N5文法

N5文法 ~てください

~てください

意味

丁寧な依頼表現で何かを依頼するときの表現。

例:教えてください、歌ってください、買ってください etc.

接続

Vて+ください

解説

日本語初学者が学ぶ文法で「丁寧な依頼表現」として説明することが多い文法ですが、実際は「~てください」と言い切ってしまうと、語調が強くなり命令的になってしまいます
また、「依頼」という意味だけでは説明できないパターンもあるので、意味を4つに分けるとわかりやすいと思います。

使う状況に応じて意味合いが異なるので、どの動詞に接続するとこの意味になるという厳密な分け方はできません。

指示

立場が上の人が下の人に指示するときに使います。
基本的には言われた人は指示に従うことが当然な状況で使われ、断ることができません。
そのため、目下の人がこの表現を使うと失礼な表現になってしまうので注意しなければいけません。

(先生→学生)教科書を読んでください。
(医者→患者)毎日野菜を食べてください。

依頼

人に何かをお願いするときに使います。
指示とは異なり、言われた側は断ることができます。
しかし、先に記載した通り、「~てください」を依頼表現として使うと、命令的になってしまうので、「すみませんが」などの言葉を補足すると良いでしょう
この文法を教える学習者のレベルを考えると難しいですが、依頼をするときは「~ていただけませんか」などの表現を使うのが正しいことだと理解しておきましょう。

すみませんが、エアコンをつけてください。
すみませんが、ペンを貸してください。

勧め

誰かに何かをお勧めしたいときに使います。
指示のような強制力はないので、もちろん言われた側は断ることができます。
しかし、言われている側も「指示」なのか「依頼」なのかわからなくてなってしまうので、「どうぞ」などの言葉を補足すると「勧め」だとすぐにわかってもらえるでしょう

どうぞ、ここに座ってください。
おいしいので、どうぞ食べてください。

配慮

相手のことを気にかけたりするときに使います。
「配慮」については、他の3つと違い、意識的に使い分けることが難しいので、慣用表現的に理解をした方が良いかもしれません。

来週のテスト、頑張ってください。
帰り道、気を付けてください。

「丁寧な依頼表現」として教えるケースが多いが、実際には命令の意味が込められて失礼になる場合がある。「指示」「依頼」「勧め」「配慮」の4つの意味があることを理解すること。
 

 

対比文法

なし

例文

指示

(先輩→後輩)もっと練習してください

(上司→部下)明日までに資料を提出してください

依頼

すみませんが、お金を貸してください

すみませんが、この荷物を持ってください

勧め

どうぞ、ゆっくりしてください

どうぞ、先に行ってください

配慮

大丈夫ですよ、安心してください

毎日日本語の勉強を頑張ってください

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