N4文法

N4文法 ~ば

~ば

意味

前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る文法の一つです。

「条件文」を作る文法で代表的なものは「と」「ば」「たら」「なら」ですが、それぞれに特徴があります。しかし、関西では「たら」が比較的多く使われるなど、出身地によって使い方が異なるので、日本語ネイティブでも自身の使い方が多数派でない場合もあります。この点は予め注意するようにしてください。

接続

「ば形」の作り方

辞書形 ば形(肯定) ば形(否定)
動詞(V) 1グループ 行く
(ik-u)
行け
(ik-eba
行かなければ
(ik-anakereba
2グループ 食べる
(tabe-ru)
食べれば
(tabe-reba)
食べなければ
(tabe-nakereba)
3グループ(くる) くる れば なければ
3グループ(する) する れば なければ
い形容詞(i-A) 大きい 大きければ 大きくなければ
な形容詞(Na) 元気 元気ならば 元気じゃなければ
名詞(N) 学生 学生ならば 学生じゃなければ

解説

書き言葉でややフォーマルです。
「条件文」を作る文法の一つで、後件の成立が望まれている文脈で、そのためにどんな前件が必要かを述べる文に特に使われます

条件文を考える場合、「非過去」「過去」かに分けて考えると整理しやすいです。

非過去

非過去の文での用法は以下です。

一般条件

恒常的に成り立つ関係(前件が発生すれば、いつも後件が発生)を表します。主に「自然現象」「機械の操作」などに使われます。

春になれ、桜が咲きます。
このボタンを押せ、ジュースが出ます。

補足

物事の本質をいう場合に使う「ものだ」と一緒に使われる場合も多いです。

誰でも年をとれ、体力が落ちるものだ。
子供が生まれて親になれ、自分の両親の有難みがわかるものだ。

N2文法 ~ものだ(物事の本質) 意味 物事の本来の性質や傾向を言いたいときに使われます。 例:泣くものだ、嫌いなものだ、わからないものだ etc. 接...
補足

「諺(ことわざ)」で使われることが多いです。

ちりも積もれば山となる

一つ一つがわずかのものでも、数多く積もり重なれば大きなものになること。

犬も歩けば棒に当たる

何かをすると、思わぬ災難に遭うことも多いということ。出歩けば思わぬ幸運に出会うこと。

三人寄れば文殊の知恵

特別に頭の良い者でなくても三人集まって相談すれば何か良い知恵が出ること。

習慣・反復動作

現在の習慣や反復動作を表す場合に使われます。
「必ず」「いつも」「よく」など習慣や反復を表す副詞が一緒に使われることが多いです。

部長は私の顔を見れ、仕事の文句を言ってくる。
父は天気がよけれ、毎朝散歩をします。

仮定条件

実際の起こるかどうかわからない、未実現の事柄を表します。前件は未実現の場合とすでに実現している場合のどちらもあります。

もし明日雨が降れ、試合は中止になるだろう。
私がもっと可愛けれ、彼と付き合えたかもしれない。

後件は未実現の事柄を表すので、文末には「~だろう」「~かもしれない」「~はずだ」などの推量や予測の表現を使うことが多いです。しかし、話し手がある程度確信を持っている場合は、言い切った形で使われます。

反事実条件(非過去)

もし事実が反対なら実現するはずのことを述べる表現です。すでに実現してしまった事柄を述べる場合と、実現が不可能なことが明らかなような場合に使われます。
文末が辞書形の場合は、現状と違うことを望んだり、現状を嘆いたりする場合に使います。

もっとお金があれ、この時計が買えるのに。
彼女がいれ、今日のクリスマスはもっと楽しいんだけど。

問いかけ(前文に焦点)

後件の成立が望まれている文脈で、そのためにどんな前件が必要かを述べる場合に使われます。

A:どうすれ、安くなりますか? B:3つ以上買え、安くなります。
A:どこに行け、その服が買えますか? B:原宿に行け、買えますよ。

終助詞

終助詞として使うことができ、聞き手にある行動を進める場合に使います。話し言葉としてもよく使われます。

A:明日のパーティーに行くか迷ってるんだ。 B:とりあえず行ってみれ
A:この服、私に似合うかな? B:着てみれ

過去

過去の文での用法は以下です。

反事実条件(過去)

もし事実が反対なら実現するはずのことを述べる表現です。すでに実現してしまった事柄を述べる場合と、実現が不可能なことが明らかなような場合に使われます。
文末がた形の場合は、過去の事実とは異なる状況を過程して、その場合には違った結果になっていたということを述べる場合に使います。

もっとお金があれ、この時計が買えたのに。
彼女がいれ、今日のクリスマスはもっと楽しかったんだけど。

認識

「~ば」は前件、後件ともにすでに発生した過去の事柄を表す場合に使うことができませんが、「認識」を表す場合は過去の文でも使えます。

確かに言われてみれ、自分が間違っていた。
噂ではとても怖い人だと聞いていたが、実際に会ってみれ、温厚な人だった。

過去の習慣

過去の習慣や反復動作を表す場合に使われます。
「必ず」「いつも」「よく」など習慣や反復を表す副詞が一緒に使われることが多いです。

学生の頃は、休みの日になれ、いつもサッカーをしていた。
彼女はお酒を飲め、いつも泣いていた。

補足

過去の回想を表す「ものだ」と一緒に使われる場合も多いです。

子供の頃は、夏休みになれ、母の実家によく行ったもんだ。
学校の帰り道に時間があれ、いつもこのファミレスで友達とご飯を食べたもんだ。

N3文法 ~ものだ(回想) 意味 過去に習慣的に行われていたことを懐かしむ表現です。 例:遊んだものだ、行ったものだ、泣いたものだ etc. 接続...

ポイント

他の条件を表す文法「と」「たら」「なら」との違いを理解するために、「ば」の特徴を整理します。

時間的前後関係を必要とする

前件と後件に時間的前後関係が必要となるので、前件と後件が同時に発生することには使えません。
「なら」は時間的前後関係を必要としません。

夏休みに旅行に行け、沖縄がいいですよ。

夏休みに旅行に行くなら、沖縄がいいですよ。

意志表現が使えない

文末に意志、勧誘、依頼、命令などの表現が使えません。
「たら」「なら」は文末に意志表現が使えます。

日本に行け、一緒に観光しましょう。

日本に行ったら、一緒に観光しましょう。
日本に行くなら、一緒に観光しましょう。

ただし、以下の条件に当てはまる場合は、意志表現を使うことができます。

前件の状態性の品詞が使われる場合。

暑けれ、エアコンをつけてください。

前件と後件の主語が異なる場合。

友達がパーティーに行け、私も行くつもりです。

後文には望ましい事柄が来る

後文には望ましい事柄が来ることが多いので、悪いことには使われにくいです。

雨が降れば、どこにも行けません。
徹夜すれば、体調が悪くなります。

晴れれば、遊びに行けます。
徹夜すれば、納期に間に合います。

終助詞として使える

文末に使うことができます。
「と」「なら」は終助詞として使えません。

A:夏休みはどこに行こうかな。 B:沖縄に行く
A:夏休みはどこに行こうかな。 B:沖縄に行くなら

A:夏休みはどこに行こうかな。 B:沖縄に行ったら
A:夏休みはどこに行こうかな。 B:沖縄に行け

対比文法

vs ~と vs ~たら vs ~なら

文法の違い「~と」vs「~ば」vs「~たら」vs「~なら」 意味 前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る代表的な文法を比較します。 4つの文法を使った例文を確...

参考文法

~と

N4文法 ~と 意味 前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る文法の一つです。 接続 Vる/ない+と ...

~たら

N4文法 ~たら 意味 前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る文法の一つです。 接続 Vたら/Vなかっ...

~なら

N4文法 ~なら 意味 前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る文法の一つです。 接続 V普+なら i...

例文

非過去

一般条件

年をとれ、体力は衰えます。

左に行け、病院があります。

習慣・反復動作

暇があれ、スマホのゲームをしている。

うちのペットは、私を見れ、すぐに飛びついてくる。

仮定条件

明日晴れれ、キャンプに行きます。

手術をすれ、完治するでしょう。

反事実条件(非過去)

もっと頭が良けれ、もっといい大学に入れるのに。

明日仕事が休みなら、昼までゆっくり寝られるのに。

問いかけ(前文に焦点)

A:どうすれ、日本語が上手になりますか? B:毎日日本語で話せ、上手になります。

A:いつになれ、コロナウイルスは終息しますか? B:一年ほど経て、終息しますよ。

終助詞

A:ちょっと熱があるみたい。 B:無理しないで早く帰れ

A:最近太ってきたんだよね。 B:運動すれ

過去

反事実条件(過去)

あの日、勇気を出して告白していれ、きっと付き合えたのに。

有名な大学を卒業していれ、就職できたのに。

認識

日本語は難しいと思っていたけど、勉強してみれ、意外と簡単だった。

お化け屋敷は苦手だけど、入ってみれ、そんなに怖くなかった。

過去の習慣

私が子供の頃、父は出張に行け、必ずお土産を買ってきてくれていた。

学生の時は、授業が終われ、すぐにテニスをしに行っていたものだ。

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