N4文法

N4文法 ~たら

~たら

意味

前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る文法の一つです。

「条件文」を作る文法で代表的なものは「と」「ば」「たら」「なら」ですが、それぞれに特徴があります。しかし、関西では「たら」が比較的多く使われるなど、出身地によって使い方が異なるので、日本語ネイティブでも自身の使い方が多数派でない場合もあります。この点は予め注意するようにしてください。

接続

Vたら/Vなかったら
i-Aたら/i-Aなかったら
Naだったら/Naじゃなかったら
Nだったら/Nじゃなかったら

解説

主に話し言葉として使われ、書き言葉では使いません。
「条件文」を作る文法の一つで、「と」「ば」「なら」の中でも一番使用できる範囲が広いのが特徴です

条件文を考える場合、「非過去」「過去」かに分けて考えると整理しやすいです。

非過去

非過去の文での用法は以下です。

仮定条件

実際の起こるかどうかわからない、未実現の事柄を表します。前件は未実現の場合とすでに実現している場合のどちらもあります。

もし明日雨が降ったら、試合は中止になるだろう。
私がもっと可愛かったら、彼と付き合えたかもしれない。

後件は未実現の事柄を表すので、文末には「~だろう」「~かもしれない」「~はずだ」などの推量や予測の表現を使うことが多いです。しかし、話し手がある程度確信を持っている場合は、言い切った形で使われます。

反事実条件(非過去)

もし事実が反対なら実現するはずのことを述べる表現です。すでに実現してしまった事柄を述べる場合と、実現が不可能なことが明らかなような場合に使われます。
文末が辞書形の場合は、現状と違うことを望んだり、現状を嘆いたりする場合に使います。

もっとお金があったら、この時計が買えるのに。
彼女がいたら、今日のクリスマスはもっと楽しいんだけど。

確定条件

ほぼ決まっている条件を表し、前件をきっかけとして新しい事柄が発生するようなことをいう場合に使われます。
文の頭に「もし」は使わない形です。

ご飯を食べ終わったら、打ち合わせしましょう。
授業が終わったら、図書館に行く。

問いかけ(前文に焦点)

後件の成立が望まれている文脈で、そのためにどんな前件が必要かを述べる場合に使われます。
通常は「ば」が使われることが多いです。

A:どうしたら、安くなりますか? B:3つ以上買ったら、安くなります。
A:どこに行ったら、その服が買えますか? B:原宿に行ったら、買えますよ。

終助詞

終助詞として使うことができ、聞き手にある行動を進める場合に使います。話し言葉としてもよく使われます。
「ば」に置き換えられますが、「ば」よりも本気で勧めているニュアンスがあります。

A:明日のパーティーに行くか迷ってるんだ。 B:とりあえず行ってみたら
A:この服、私に似合うかな? B:着てみたら

話し言葉であれば、恒常的に成り立つ「一般条件」でも使えますが、「と」「ば」の方が自然に使えるため、このリストからは外しています。

春になったら、桜が咲きます。
このボタンを押したら、ジュースが出ます。

過去

過去の文での用法は以下です。

事実的条件

前件、後件ともにすでに発生した過去の事柄を表す場合に使われます。

窓を開けたら、虫が入ってきた。
友達にLINEしたら、すぐに返事がきた。

反事実条件(過去)

もし事実が反対なら実現するはずのことを述べる表現です。すでに実現してしまった事柄を述べる場合と、実現が不可能なことが明らかなような場合に使われます。
文末がた形の場合は、過去の事実とは異なる状況を過程して、その場合には違った結果になっていたということを述べる場合に使います。

もっとお金があったら、この時計が買えたのに。
彼女がいたらたら、今日のクリスマスはもっと楽しかったんだけど。

発見・意外な結果

先に記載した「事実的条件」と似ていますが、こちらは前件の動作の結果、後件の事柄を発見した(気づいた)という場合に使われます。

箱を開けたら、プレゼントが入っていた。
彼は見た目は怖いが、話してみたら、意外に良い人だった。

同一人物の連続する動作

条件文というよりかは、前件と後件の継起関係(物事が続いて起こる)を表す「~と」の特有な表現です。
前件、後件で使われる動詞はどちらも意志動詞が使われます。
通常は連続性の意味が強い「と」が使われることが多いです。

先生は教室に入ったら、すぐに授業を始めた。
座席に座ったら、あっという間に寝た。

ポイント

他の条件を表す文法「と」「ば」「なら」との違いを理解するために、「たら」の特徴を整理します。

時間的前後関係を必要とする

前件と後件に時間的前後関係が必要となるので、前件と後件が同時に発生することには使えません。
「なら」は時間的前後関係を必要としません。

夏休みに旅行に行ったら、沖縄がいいですよ。

夏休みに旅行に行くなら、沖縄がいいですよ。

意志表現が使える

文末に意志、勧誘、依頼、命令などの表現が使えます。
「と」「ば」は文末に意志表現が使えません。

日本に行ったら、一緒に観光しましょう。
日本に行くなら、一緒に観光しましょう。

日本に行く、一緒に観光しましょう。
日本に行け、一緒に観光しましょう。

「ば」は主語が異なる場合や、前件が状態性を表す言葉が来る場合は意志表現を使うことができます。
詳細は以下の記事を確認してください。

N4文法 ~ば 意味 前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る文法の一つです。 接続 「ば形」の作り方...

終助詞として使える

文末に使うことができます。
「と」「なら」は終助詞として使えません。

A:夏休みはどこに行こうかな。 B:沖縄に行く
A:夏休みはどこに行こうかな。 B:沖縄に行くなら

A:夏休みはどこに行こうかな。 B:沖縄に行ったら
A:夏休みはどこに行こうかな。 B:沖縄に行け

対比文法

vs ~と vs ~ば vs ~なら

文法の違い「~と」vs「~ば」vs「~たら」vs「~なら」 意味 前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る代表的な文法を比較します。 4つの文法を使った例文を確...

参考文法

~と

N4文法 ~と 意味 前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る文法の一つです。 接続 Vる/ない+と ...

~ば

N4文法 ~ば 意味 前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る文法の一つです。 接続 「ば形」の作り方...

~なら

N4文法 ~なら 意味 前件がある要因・きっかけとなって、後件を制約する「条件文」を作る文法の一つです。 接続 V普+なら i...

例文

非過去

仮定条件

明日晴れたら、キャンプに行きます。

手術をしたら、完治するでしょう。

反事実条件(非過去)

もっと頭が良かったら、もっといい大学に入れるのに。

明日仕事が休みだったら、昼までゆっくり寝られるのに。

確定条件

午後になったら、買い物に行きましょう。

お湯がわいたら、カップラーメンを作ってください。

問いかけ(前文に焦点)

A:どうしたら、日本語が上手になりますか? B:毎日日本語で話したら、上手になります。

A:いつになったら、コロナウイルスは終息しますか? B:一年ほど経ったら、終息しますよ。

終助詞

A:ちょっと熱があるみたい。 B:無理しないで早く帰ったら

A:最近太ってきたんだよね。 B:運動したら

過去

事実的表現

家でゴロゴロしていたら、友達から電話がかかってきた。

外を歩いていたら、急に雨が降ってきた。

反事実条件(過去)

あの日、勇気を出して告白していたら、きっと付き合えたのに。

有名な大学を卒業していたら、就職できたのに。

発見・意外な結果

ドアを開けたら、知らない人が立っていた。

お勧めされた音楽を聞いてみたら、とても良い曲だった。

同一人物の連続する動作

家に帰ったら、すぐパソコンを立ち上げる。

彼女と久しぶりに再会したら、すぐに抱きしめた。

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