N2文法

N2文法 ~てならない

~てならない

意味

「とても~で我慢できない」という意味を表します。

例:思えてならない、気がしてならない、残念でならない etc.

接続

Vて+ならない
i-Aくて+ならない
Naで+ならない

解説

「とても~で我慢できない」という意味を表します。
心や体の状態を表す語と接続して、強い感情や感覚が沸き起こって抑えられないときに使われます。
少し古い言い方で書き言葉的表現です。
無意識に自然とそうなるという動作と相性が良く、身体的感覚などとは相性が良くないです。

告白する前から、失敗する気がしてならない
彼の表情を見ていると、嘘を言っているように思えてならない

よく使われる単語

思える、気になる、気にする、泣ける、悔やまれる、感じがする、嬉しい、寂しい、うらやましい、残念、心配、不安、不思議 etc.

補足

話し手以外が主語になる場合は、文末は推量の表現(そうだ、らしい、ようだ etc.)になることが多いです。

彼は、私が今ここにいることが不思議でならないようだ。
友達は、好きな子がパーティーに来なかったことが、残念でならないようだ。

補足

物の属性や評価を表す言葉に使うと不自然になります。

この本は面白くてならない
彼の絵は下手でならない

類似文法である「~しかたがない」「~てたまらない」では使うことができます。

この本は面白くてしかたがない
彼の絵は下手でしかたがない

この本は面白くてたまらない
彼の絵は下手でたまらない

参考書によっては「~てしかたがない」「~てたまらない」も不自然、使えないと記載されています。私自身、「~てたまらない」は不自然に感じますが、使用している母語話者も多いようなので、使用可としました。
補足

「~てならない」の類似文法である「~てしかたがない」「~てたまらない」は、母語話者の中でも接続できる語の許容度が異なります。
そのため、自分の感覚だけで「接続できる/できない」を決めてしまうことは多少リスクがあります。
母語話者にとっては許容度が低くても、学習者にとっては許容度が高くなっている語彙なども多いのも特徴です。

以下の論文に統計結果が記載されています。

「~てならない,~てたまらない,~てしかたがない」の使い分け ―日本語母語話者と日本語学習者の比較―

上記の統計を見ると、「~てならない」は、「~てしかたがない」「~てたまらない」と比べて、母語話者にとっても許容度が高い語彙は少なく、使用できる幅が狭いものと思われます。先に記載の通り、相性の良い無意識に自然とそうなる動作を表す語彙を中心に使用した方が無難でしょう。

心や体の状態を表す語と接続して、「とても~で我慢できない」という意味を表す。類似文法との使い方の違いに注意。
 

 

対比文法

準備中

例文

彼の行動や言動から判断して、やっぱり彼が犯人だと思えてならない

今日は朝から何か悪いことが起こる気がしてならない

お金持ちの友達が毎年家族で海外旅行をしているという話を聞いて、うらやましくてならない

来週、初めて一人で海外に行くので、今から不安でならない

毎日遊んでいる彼が東大に合格したなんて、不思議でならない

参考文献

杉村泰(2007)「~てならない,~てたまらない,~てしかたがない」の使い分け ―日本語母語話者と日本語学習者の比較―
「~てならない,~てたまらない,~てしかたがない」の使い分け ―日本語母語話者と日本語学習者の比較―
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