言葉の違い

言葉の違い 「気持ち」vs「気分」

気持ちvs気分

概要

「気持ちがいい」「気持ちが悪い」「気分がいい」「気分が悪い」

よく使う言葉ですよね。

「気持ち」

「気分」

この2つの言葉の違いがわかりますか?

日本語学習者からもよくある質問なのですが、日本語教師にとっても説明が難しい質問です。

実際この二つの違いを研究した論文がいくつかありますが、まだすっきりした答えは出ておらず、今でも研究が続けられています。

そのため、完璧な回答を書くのは難しいですが、学習者に答える場合に必要な情報だけまとめてみたいと思います。

意味

それでは、辞書に書かれている意味の一部を確認していきましょう。

気持ち

1.物事に接したときに心にいだく感情や考え方。
2.ある物事に接したときに生じる心の状態。気分。感じ。
3.(副詞的に用いて)ほんのわずか。
からだの状態から生じる快・不快の感じ。気分。

気分

1.ある状況によってもたらされる、その時の心持ち。
2.その場の雰囲気 (ふんいき) 。趣。
からだの状態によって生じる気持ち。

「気持ち」の説明には「気分」、「気分」の説明には「気持ち」が使われていて、ほとんど同じ意味であることがわかりますね。

解説

「気持ち」と「気分」の違いを理解していくために、まず記事の最初に記載した以下の4つに注目してください。

「気持ちがいい」「気持ちが悪い」「気分がいい」「気分が悪い」

上記で示した意味の部分ですね。
これらについては全て「感情形容詞」の一つとして考え、「気持ち」「気分」のそれぞれの意味とは切り離して考えた方がわかりやすいです。

それぞれの意味を「身体的」「心理的」「いい」「悪い」で分けて考えていきます。

気持ちがいい

身体的・・・主に皮膚感覚(全身の感覚でも手など一部の感覚でも可)による爽快感。
公園を散歩すると、風に吹かれてとても気持ちがいい
温泉に入ると、身体が温まってとても気持ちがいい

心理的・・・ストレスなどの解放感。
長い間抱えていた悩みが解決して、とても気持ちがいい
彼が怒られている姿をみているのは、とても気持ちがいい

気持ちが悪い

身体的・・・異物感(全身の感覚でも手など一部の感覚でも可)、嘔吐感。
何かよくわからないものが手について気持ちが悪い
昨日はお酒を飲み過ぎて、気持ちが悪い

心理的・・・普通ではない物や事柄に対する嫌悪感。
ゴキブリを一匹見つけて、他にもどこかにいると考えるだけで気持ちが悪い
私の家の前にいつも同じ男の人が立っていて、本当に気持ちが悪い

気分がいい

身体的・・・全身の感覚に対する爽快感。
いつも朝は低血圧で調子が悪いが、今日は気分がいい
昨日は風邪で辛かったが、今日はだいぶ気分がいい

手や足など身体の一部の感覚には使えません。
マッサージしてもらった足がとても気分がいい
→マッサージしてもらった足がとても気持ちがいい

心理的・・・単純な喜びではなく、満足感や達成感。
クラスで一番の成績が取れて、気分がいい
いつも誉めてくれない父に褒められて気分がいい

気分が悪い

身体的・・・全身の感覚に対する不快感。
昨日から熱が下がらず気分が悪い
気分が悪いなら、薬を飲んだ方がいいですよ。

心理的・・・主に怒りの感情を表す。
後輩からタメ語で話しかけられて、気分が悪い
陰口をたたかれるのは気分が悪い

いかがでしょうか?
これら4つは一つの形容詞として考え、「身体的」「心理的」に分け、例文を見せながら説明すると学習者にとっても理解しやすいでしょう。

それでは、「気持ち」「気分」の単語の違いを挙げていきたいと思いますが、どちらの単語にも使われている「気」とはどういう意味なのかを考えてみたいと思います。

生命・意識・心などの状態や働き。

どちらの単語にも「気」が含まれているので、この意味はどちらにも含まれていると考えられます。

これに「持」と「分」が結びつくとどのような違いがあるのかを以下のようにまとめてみます。

「気持ち」・・・気を持っていること。意識の働きを持ち、積極的な心持ち。
「気分」・・・気が分かれていること。気が分散的で、一時的な心持ち。

それぞれの漢字からこのような意味が感じ取れます。

「気持ち」は具体的な意志や希望まで表すことができ、一時的ではなくよく考えたことにも使うことができます。

仕事を辞めて、会社を立ち上げるという気持ちは変わらない。 
仕事を辞めて、会社を立ち上げるという気分は変わらない。 

しっかりとした意志があり、一時的な考えではないので「気分」は使えません。

ある物事や事柄に接したときに生じる感情や考え方を言う場合は「気持ち」しか使えません。

彼が言いたいことはわかったが、私には彼の気持ちはわからない。 
彼が言いたいことはわかったが、私には彼の気分はわからない。  

彼の考えに接したときに生じた感情なので「気分」は使えません。

意志的な意味を表す動詞句はほとんど「気持ち」に接続する。

絶対にこの試合に勝ちたいという気持ちが伝わってきた。 
絶対にこの試合に勝ちたいという気分が伝わってきた。  

「絶対に勝つ」という意志を表しているので、「気持ち」に接続しやすいです。

副詞的に「ほんの少し」という慣用的な表現が使えるのは「気持ち」だけです。

すみません、気持ち奥に移動してくれませんか。 
すみません、気分奥に移動してくれませんか。  

「ほんの少し」という意味で使われる副詞的表現なので、「気分」は使えません。

その場の雰囲気を表現する場合は「気分」のみ使えます。

仕事が始まったが、正月気分が抜けず、仕事に集中できない。 
仕事が始まったが、正月気持ちが抜けず、仕事に集中できない。  

他にも「新婚気分」「お祭り気分」など慣用的に使われる表現があります。

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