意味
「ある立場、身分、状況にふさわしくない」という対象についての不満、非難や軽蔑の意味を表します。
例:子供のくせに、好きなくせに、できないくせに etc.
接続
V普+くせに/くせして
i-A普+くせに/くせして
Na普+くせに/くせして
N普+くせに/くせして
Naな+くせに/くせして
Nの+くせに/くせして
解説
「ある立場、身分、状況にふさわしくない」という対象についての不満、非難や軽蔑の意味を表します。
「くせに」と「くせして」は同じ意味ですが、「くせして」の方がくだけた言い方です。
「~ない」「~てくれない」「~ようとしない」などと否定的な気持ちを表す表現と一緒に使うことが多いです。
くせに何も教えてくれない。
彼女は日本語が上手になりたいと言っているくせに、全然日本語で話そうとしない。
「くせに」「くせして」の文法は相手に使うと「非難」「軽蔑」の意味を表すので、相手を不快にさせる場合があります。またその場にいない第三者に使用する場合も、「陰口」「悪口」のような印象になるので、聞き手が気持ちよく思わない場合があります。使う場面には注意しましょう。
前件と後件の主語は必ず同じです。主語が異なる場合は同じ逆接の表現である「のに」を使います。
くせに、娘は毎日遊びに行っている。
息子は毎日真面目に勉強しているのに、娘は毎日遊びに行っている。
息子は毎日真面目に勉強している他者に対する批判、非難を表す文法のため、話し手自身は主語になりません。
くせに、他の女性と遊びに出かけている。
私は彼女がいるくせに、他の女性と遊びに出かけている。
彼は彼女がいる自分を客観視して話す場合は、話し手を主語にすることもできます。
くせに、全然勉強していない。しっかりしなきゃ。
私は「絶対に試験に合格する!」って言った無生物に対しては使えません。
くせに、すぐ壊れる。
値段が高いパソコンののに、すぐ壊れる。
値段が高いパソコンな無生物が主語の場合でも、背景に人が容易にイメージできる場合は比較的よく使われています。
くせに高い。
この店の料理はまずい料理を作った「人」がイメージしやすいので、このような使い方は多いです。
終助詞的な用法で文末に使われる場合も多いです。
くせに。
急にどうしたの?あんなに行きたくないって言ってたくせに。
「非難」の意味ではなく、相手を「からかう」場合に使うこともあります。
「からかう」の意味を確認しておきましょう。
冗談を言ったりいたずらをしたりして、相手を困らせたり、怒らせたりして楽しむこと。
くせに。
告白されて嫌だとか言ってるけど、本当は嬉しいくせに。
対比文法
準備中
例文
くせに、他の人の文句ばかり言っている。
彼は自分で何もしないくせに、まだ連絡がこない。
今日中に連絡するって言ったくせに、自分には甘い。
彼は他人に対して厳しいくせに、すぐ泣くのは良くないよ。
男のくせに、生意気な発言をするな。
後輩の