N1文法

N1文法 ~には~が/~ことは~が

~に/ことは~が

意味

「~は確かなことだが、しかし」という意味です。

例:勝つには勝ったが、書くには書いたが、元気には元気だが etc.

接続

V普+に/ことは V普+が
i-A普+に/ことは i-A普+が
Na普+に/ことは Na普+が
Naな(である)+ことは Naだ+が
N普+ことは N普+が
Nな(である)+ことは Nだ+が

参考書によっては「名詞は接続しない」と書かれています。
一部使えそうな形もありますが、私も不自然だと感じるので、学生には「接続しない」と説明してもいいと思います。
形容詞に「には」が接続する形も間違いではないですが、不自然に聞こえる接続も多いので「ことは」を使う方が間違いが少ないです。

解説

この文法は「動詞」に接続する場合と「イ/ナ形容詞、名詞」に接続する場合とで分けて考えた方がわかりやすいです。
どちらの場合も同じ言葉を繰り返すこと譲歩の気持ちを表すことは共通です。
また「が」を「けど」「けれど」「けれども」などに置き換えることができ、より話し言葉となります。

動詞接続

一応その行為はするが、結果はそんなに納得いくものにはならない(ならなかった)という意味を表します。
「とりあえず~してみるけど、あんまり良い結果を期待しないでね」と言いたい時によく使われるので、「~てみる」を使うことが多いです。

彼女に話してみるには話してみるけど、きっと許してくれないよ。
受験してみることには受験してみるけど、たぶん合格できないよ。

イ形容詞/ナ形容詞接続

「~を否定するわけではないが」と前件の事実は認めて、後件では話し手がそれを否定する見解を述べます。
前件がプラスの内容なら、後件はマイナスの内容、逆に前件がマイナスの内容なら、後件はプラスの内容になります。

この家は安いことは安い、駅から遠すぎるので不便です。
昨日見た映画はつまらなかったことはつまらなかった、俳優の演技は素晴らしかったです。

補足

過去のことをいう場合は、繰り返し使う言葉のどちらも「た形」にする場合と、2番目だけ「た形」にする場合があります。意味はどちらも変わりません。

試合に勝っには勝っ、ギリギリでした。
試合に勝つには勝っ、ギリギリでした。

「~は確かだと事実を認めるが、しかし」という意味。「動詞」に接続するか「形容詞」に接続するかで捉え方が異なるので注意。
 

 

対比文法

なし

例文

動詞接続

全部答えを書いたことは書いたけど、正解しているかどうか自信がありません。

せっかく紹介してくれたから、会ってみることは会ってみるけど、たぶん付き合ったりはしないと思いますよ。

日本語の歌を歌えるには歌えるけど、あまり上手じゃありません。

お勧めしてくれた本を読むには読んだけど、難しくてよく分からなかったです。

イ形容詞/ナ形容詞接続

彼はかっこいいことはかっこいいけど、性格があまりよくありません。

祖父は元気なことは元気だけど、最近物忘れが激しくなってきました。

うちは広いには広いけど、古くて汚いんです。

母はきれいにはきれいだけど、自分のことを「きれい」といつも言っているのは恥ずかしいです。

参考論文

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