授業風景
質問内容
「赤い」「青い」「白い」「黒い」は「〇+い」、「黄色い」「茶色い」は「〇色+い」、他の色は「い」が付かない。これはどうしてですか?
全ての色のルールを覚えなければいけないんですか?
こんな感じの質問ですね。
日本人は感覚的にわかると思いますが、急に聞かれると焦ってしまうのではないでしょうか。
少し深いところまで解説してみたいと思います。
解説
まず、「色」について少し説明してみます。
色は何種類あるのかという質問の答えはありません。
人間は1000万近くの色を見分けられると言われていますが。
日本産業規格(JIS)で定められた「物体色の色名」としては「269色」が規定されています。
ある意味、これが「日本の色の数」と考えてもいいでしょう。
では、この全ての色を「〇+い」「〇色+い」「「い」が付かない」のかを分類しなければならないのでしょうか?
そんなことはありません。
先に答えを示すと以下のような分類となります。
赤、青、白、黒
黄、茶
上記以外の全ての色
簡単ですね。
このルールを示せれば、日本語学習者も一安心ですね。
せっかくなので、なぜ上記のような分類になっているのかまで説明していきたいと思います。
昔は色を表す言葉は、「赤」「青」「白」「黒」の4つだけだったんです。
この4色が一番歴史があるので、特別に分類されていると思ってください。
また、昔は「明暗」と「濃淡」で全ての色を表現されていたこともわかっています。
「明」・・・赤
「暗」・・・黒
「濃」・・・白
「淡」・・・青
「明るい」は「赤」、「暗い」は「黒」、「淡(あわ)い」は「青」と言葉も似ていますよね。
「濃い」と「白」は似ていないと思うかもしれませんが、「白」は「著(しる)し=はっきりしたという意味」が語源なので、こちらも納得ですね。
要するに明るい物は全て「赤」と言ってたんですね。
太陽を見ても「赤」、火を見ても「赤」ですね。
他にも、この4色だけが使える特別な表現を抑えておきましょう。
「オセロや囲碁の白と黒」「赤鬼と青鬼」「赤チームと白チーム(紅白)」など
「赤々と」「青々と」「白々と」「黒々と」
「真っ赤」「真っ青」「真っ白」「真っ黒」
※「真っ黄色」「真っ茶色」も使うことができる。
さて、それでは「黄色」と「茶色」はどうして「〇色+い」という形で使われるようになったのでしょうか?
正直こちらに関してはすっきりした答えが見当たりません。
日本語教育として学生に納得してもらう説明であれば、「発音」のしやすさという話かなと思います。
「黄い」「茶い」というのは発音しにくいですよね。
他にも諸説あるのは確認していますが、自分の中ですっきりしていないので、もし良い回答を持ってる方がいたらぜひ教えてくださいね。