日本語能力試験の概要
日本語能力試験とは、日本語を母語としない人を対象に日本語能力を認定する検定試験のことです。
英語では”Japanese Language Proficiency Test”、省略して「JLPT」と呼ばれるのが一般的です。
主催団体は日本と海外で異なります。
日本:「日本国際教育支援協会(JEES)」
海外:「国際交流基金」
※台湾では「公益財団法人日本台湾交流協会」との共催で行われています。
日本語の能力を測る試験は他にもありますが、このJLPTが世界で最も受験者数の多い試験であり、この資格を有無は進学、就職、ビザの取得などにも関わってくるので、日本語学習者にとってはとても大事な試験となります。
JLPTは7月上旬と12月上旬の年2回試験が実施されています。
N1~N5の5段階に分かれており、N1が一番難しい試験です。
日本でビザを取得して企業で働くためには、N2以上を取得していないと採用に至ることが難しい現状です。
(その他のスキルや経験を持っていればその限りではありません。)
ただし、近年は日本語能力の高い日本語学習者が増えており、N1を取得していたとしても日本で就職するのは難しくなっています。
N1~N5の5段階に分かれていて、N1が一番レベルが高い。
主に言語知識(文法、語彙、漢字)と読解と聴解の3つの分野で構成されている。
資格を持っていると、進学、就職、ビザの取得に役に立つ。
各試験の詳細(合格点、試験時間、合格率など)
N1
日本語レベル | 満点 | 合格点 | 配点 | 試験時間 | 必要語彙、漢字、学習時間 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|---|
N1 | 180点 | 100点 | 言語知識 60点(19点) | 言語知識+読解 110分 | 語彙:10000語 漢字:2000語 学習時間:1000時間 | 30~35% |
読解 60点(19点) | ||||||
聴解60点(19点) | 聴解 55分 |
※配点()は最低基準点です。(合計が合格点を超えても、1つの分野で基準点を下回っていると不合格になります。)
N2
日本語レベル | 満点 | 合格点 | 配点 | 試験時間 | 必要語彙、漢字、学習時間 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|---|
N2 | 180点 | 90点 | 言語知識 60点(19点) | 言語知識+読解 105分 | 語彙:6000語 漢字:1000語 学習時間:600時間 | 35~40% |
読解 60点(19点) | ||||||
聴解60点(19点) | 聴解 50分 |
※配点()は最低基準点です。(合計が合格点を超えても、1つの分野で基準点を下回っていると不合格になります。)
N3
日本語レベル | 満点 | 合格点 | 配点 | 試験時間 | 必要語彙、漢字、学習時間 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|---|
N3 | 180点 | 95点 | 言語知識 60点(19点) | 言語知識(文字・語彙) 30分 | 語彙:4000語 漢字:600語学習時間:450時間 | 35~40% |
読解 60点(19点) | 言語知識(文法)、読解 70分 | |||||
聴解60点(19点) | 聴解 40分 |
※配点()は最低基準点です。(合計が合格点を超えても、1つの分野で基準点を下回っていると不合格になります。)
N4
日本語レベル | 満点 | 合格点 | 配点 | 試験時間 | 必要語彙、漢字、学習時間 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|---|
N4 | 180点 | 90点 | 言語知識+読解 120点(38点) | 言語知識(文字・語彙) 25分 | 語彙:1500語 漢字:300語 学習時間:300時間 | 35~40% |
言語知識(文法)、読解 55分 | ||||||
聴解60点(19点) | 聴解 35分 |
※配点()は最低基準点です。(合計が合格点を超えても、1つの分野で基準点を下回っていると不合格になります。)
N5
日本語レベル | 満点 | 合格点 | 配点 | 試験時間 | 必要語彙、漢字、学習時間 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|---|
N5 | 180点 | 80点 | 言語知識+読解 120点(38点) | 言語知識(文字・語彙) 20分 | 語彙:800語 漢字:100語 学習時間:150時間 | 45~50% |
言語知識(文法)、読解 40分 | ||||||
聴解60点(19点) | 聴解 30分 |
※配点()は最低基準点です。(合計が合格点を超えても、1つの分野で基準点を下回っていると不合格になります。)
補足
JLPTの資格の有無で、学習者のおおよそのレベルを判断することもできますが、
全問選択式で、writingやspeakingの試験は組み込まれていないため、この資格の有無だけで判断するのは不十分だとも言われています。
特にspeakingは日本語を会話する機会に恵まれていない方はなかなか上達することができません。
日本語を教えることはそんなに簡単なことではありません。
しかし、完璧に教えてあげることなどは考えず、学習者と日本語で会話する機会を作ってあげるだけでも、彼らの日本語レベルは飛躍的に上達します。
ぜひ皆さんの周りに日本語を勉強している方がいたら、ぜひたくさん日本語で話しかけてあげてくださいね。