前置き
日本語教育のカリキュラムの中で、若者言葉を教えるということはほとんどないかと思います。
それでも若者言葉に関心を持つ学習者が多いことも事実です。
最新の若者言葉についていけないという日本語教師も多いですが、ぜひ教師は言葉の流行に敏感であってほしいものだと思っています。
若者言葉については以下の記事を読んでみてくださいね。
概要
「まじぴえんだわ」
この一文を見てすぐに意味がわかりますか?
「ぴえーん」というのが泣き声の擬音語(オノマトペ)となんとなくわかる日本人であれば想像はつくかもしれませんが、オノマトペが苦手な日本語学習者にとっては全く意味がわからないですよね。
「ぴえん」「ぱおん」は以下のような流行語大賞にも選ばれている若者なら知らない人はいないぐらいの言葉なんです。
petrel2020年上半期流行語大賞 流行語部門:1位
ついでにこの「ぴえん」の最上級表現ともいえる「ぴえんヶ丘どすこい之助」という言葉も2019年JCJk流行語大賞コトバ部門で3位に入っています。
2018年11月頃から女子中高生の間で使用されるようになり、2019年、2020年の代表的な若者言葉といってもいいですね。
では、詳しい意味を見ていきましょう。
意味
「ぴえん」や「ぱおん」は現代の辞書に定義されている言葉ではありません。
一般的に若者が定義している意味は以下です。
非常に感動して泣いてしまう又は泣きそうになった状態を表す擬音語。
ぴえんよりも、さらに強調された表現。「ぴえん越えてぱおん」と使用する場合が多い。
これらの表現は感動を表すだけでなく、「悲しさ」「嬉しさ」「怒り」「後ろめたさ」なども表すことができます。
解説
「ぴえん」の語源は可愛く泣いているこんな絵文字🥺が語源と言われています。
絵文字を使うより、この状態を表すオノマトペである「ぴえーん」を使った方が可愛い、そしてそれが省略されたのが「ぴえん」です。
「ぱおん」も象の泣き声である「ぱおーん」が「ぱおん」に変化したと言えるでしょう。
日本語学習者にこの若者言葉を教えるときは、泣き声のオノマトペである「ぴえーん」、象の泣き声である「ぱおーん」も一緒に紹介すると印象に残って覚えやすいですね。
若者言葉は言葉遊びの一つとしても定義されており、その言葉を使う仲間同士に親近感が生まれるという利点があります。
「ぴえん」や「ぱおん」は語感も可愛らしく、女子中高生が好きそうな言葉ですよね。
現代ではこういった言葉が特に流行語になりやすいんでしょうね。